ブログが書けない。
最初はフィギュアの魔改造やガレージキットの作成について自分なりのものを書こうと思った。
他の方のブログやYouTube、市販されている本を読んでみて感じたのが、これで出来るようになれば苦労はしないと感じたからだ。
1体目の魔改造は、フィギュアの服を脱がして裸にするという定番のものだった。そこで悩んだのがフィギュアを削ってそこをパテで埋めた際に段差をなくす、すなわち面一(つらいち)にすることだった。
ブログや市販の書籍に、曲面のやすり掛けはスポンジヤスリと書いてあった。だから俺はひたすらスポンジヤスリで面一にしようとした。2カ月頑張った。
ちなみにその当時の俺は、ガレージキットを作ったこともなかった。プラモデルは子供のころにガンプラを2、3個作った記憶しかない。最後にプラモデルを作ったのは中学校のときにバイクで、結局完成できなかった。要するにまったくの初心者であった。
そんな俺はどうすれば面一にできるかなんか知識は当然なかった。というか、いくらネットで検索しても面一にする方法が分からなかった。だから2カ月頑張った。だって分からないんだから。
面一にならなくても、スポンジヤスリを掛けるという方法が合っているのかどうかの判断はできないし、自分の技術が未熟だからできない可能性の方が高いと思った。
3日に一回のペースでパテを盛ってスポンジヤスリを掛けるという作業をした。いつか俺の技術力が上がって面一になる日を夢見ていた。
2カ月やってなんとなく思った。これでは、いくらやっても面一にならないということに。やり方が間違っているのではないと考え、YouTubeで調べた。
やっと答えを得た。それは車の外装を修理するチャンネルだった。へこんだドアにパテを盛って修理するという動画である。そこで言っていたのが、局面は直線で作るということであった。まっすぐの当て木にやすりを巻いて、そのヤスリを掛けることで異なる素材を面一にして、合わせて局面を作成するというものであった。
天啓だった。その動画を見た瞬間に思った。そりゃそうだって。素材が異なるということは硬さが異なるということで、素材の異なるものにスポンジヤスリを掛けても、柔らかい素材(パテ)が先に削れてしまい、硬い素材(PVC)は削れない、よって面一になるわけがない。
その時に、模型屋で売っているステンレス製やプラスチック製の当て木の存在価値を理解した。それまでは、あれは単に平面をヤスリ掛けするための道具だと思っていた。
その後、紆余曲折ありながら1体目の魔改造を完成させた。いつか画像をあげたい。
1体目を完成させた俺の胸の中には、犠牲になったフィギュアに対する慚愧の念しかなかった。正直、自信があった。俺は手先の器用さにはそれなりに自信があった。最初からなんでもできるというより、時間さえかけて努力すれば、できるはずという自信があった。
料理は社会人になるまでやったことなかったが、仕事として取り組むことになり、人並みにできるようになった。趣味として裁縫にはまったときは、こどもの浴衣も手縫いした。俺は人よりは手先は器用だと思っていた。だいたいのことは、やればできるはずという根拠のない自信があった。
しかし、最初の魔改造は悲惨なものであった。俺も自信は粉々に砕けた。でも負けたままでいるのは大嫌いだし、犠牲になったフィギュアに対しても申し訳ない。俺のリベンジマッチが始まった。
2025年5月時点での魔改造や作成したガレージキットは下記のとおりである。
魔改造6体。ガレージキット2体。ガレージキットの2体のうち1体は俺の大好きな御坂美琴ちゃんの頭部を複製して合体させた。そして、現在、フルスクラッチ1体を作成中である。ちなみに、これはすでに2カ月くらいやっているが、いまだにパテを盛って削る作業をしている。体は3割くらいの完成度であり、頭はまったくできていない。いつ完成するのか、目途もたたないが、まあ趣味なんだからいいのさ。
これくらいやっているモデラーは掃いて捨てるほどいるはずだ。だから偉そうなことなんて何も言えない。やっと初心者に毛が生えたレベルだ。ただ、とりあえず最初の壁は乗り越えた実感はある。
フルスクラッチをやっている方のブログや市販されている書籍は確かに参考になる。ただレベルが違いすぎる。俺のレベルが低すぎて参考にならないのである。
プロ野球選手レベルや高校野球全国レベル向けの技術書を読んでも野球初心者のレベルが上がるとは思わない。だってレベルが違いすぎるから。俺は野球でいえば、草野球レベルでもなく、小学生がやるカラーボール野球レベルだ。そんな俺が、イチローが書いたバッティング技術書を読んだら、イチローと同じようにバットを振れるか?振れるはずない。
実際に魔改造やガレージキットを作ってみて、俺はすごい楽しいと感じた。もっと多くの人にこの楽しみを広げたいというのは建前で、この界隈にもっと多くの人が入ってくれば、企業ももっと色々なフィギュアを作るようになるはず。そうすれば、商品化されていない、また今後商品化される予定もないフィギュアを手に入れることもできるはず。
そのためには、ちょっとでも魔改造やガレージキットに興味がある人が、手軽に手を出せるようにした方がよいと思う。自分でやってみて思うのは、絵が描けたり、立体物を作れたりなどの美術的な素養がある人であればなんとかなるけど、そうでない人にとってはハードルが高すぎる。
ちなみに俺は美術的な素養はまったくない。単に手先がちょっと器用なだけである。絵はドラえもん、アンパンマン、ロビンマスクは自信があるけど、それ以外は無理。猫とか犬とかも無理。当然、立体物なんか作ったことない。解剖学的な知識も皆無である。
じゃあ、なんで俺が初心者に毛が生えたのかいえば、俺に比較的時間と金があったからである。それだけである。ちょっとした手先の器用さなんてほとんど意味がない。仕事はちゃんとしているから、金もそれなりに使える、あと単身赴任なので時間もある。
俺は形から入るタイプなので、まず道具を一通り揃えた。超音波カッター、電動ツール、エアブラシ、塗装ブースなどの高価なものも最初に買った。腕のなさは道具でカバー作戦である。「弘法は筆を選ばず」というのは腕がある人の言葉だ。腕がないものほど、道具にこだわる必要がある。 優秀な道具があれば腕がなくても力押しでなんとかなることが多い。
では、高価な道具がなければ始められないのかといえば、今ならわかる。答えはNOだ。電動ツールを使えば、簡単に硬化したパテを削ることができるが、これは棒ヤスリでも可能なことである。人間の手で替えがきかないのは、おそらくエアブラシくらいだ。筆塗りでエアブラシと同じ塗装をするのは一生かかっても俺にはできない気がする。逆に言えば、それ以外はなんとかなると思う。
道具は腕をカバーすると書いたが、技術力を上げるというより、同じ作業を手でやるより時間を短縮することにより試行錯誤をより多くすることができるという意味だ。美しいお尻のラインを作る場合、一発でラインを作ることは俺には不可能である。だって初心者だからね。
じゃあどうするか?答えは簡単である。自分が納得できる形になるまで、ひたすらパテを盛って削る作業を繰り返せばいいのだ。パテを盛るのはまだいい。ただ削るのは非常に時間がかかる。パテを盛る段階で最終ラインをだせればいいが、それができるのはプロ野球か高校野球全国クラスだ。俺のようにカラーバット野球レベルでは夢だ。何回も繰り返すことで、少しづつ理想のラインに近づくことができ、いつか理想のラインにたどり着ける、はず。
道具についてもそのうち書きたいが、塗装はエアブラシ、コンプレッサーが必要なのは仕方ないとしても造形だけであれば、デザインナイフ、パテ各種、カッター、瞬間接着剤、ヤスリ(棒・紙・スポンジ)、ニッパー、精密ピンバイス、針金くらいでなんとかなる。
ただ、最低限の道具での作業には時間がかかる。特に俺のような初心者は、最終形をしっかりイメージしてそこに至るまでの過程を考えることができないので、とりあえず行き当たりばったりでやるしかない。それにより、何回も失敗するし、ひとつの失敗に目を背けて先に進んだことにより、最終的にすべてのバランスが崩れて、最初の失敗を修正しなければならなくなることも日常である。
上半身と下半身を別々に作っていて、それぞれそれなりに満足できる形になって、意気揚々と合体させたらバランスが致命的にとれてなかったときは、泣いた。本当に。
だからこそ。
初心者が初心者のために、よくある失敗や致命的な失敗を紹介していきたいと思う。イチローや全国レベルの高校生のバッティング動画を見ても、自分との差に心が抉られるだけで、バッティングが上手くなることは難しいと考える。これで上手くなる人は才能がある一部の人だけだ。
そうすれば、きっと挫折する人が少なくなるはず。YouTubeでエアブラシ塗装のやり方を説明していた人が言ってた。「上手くなりたいのであれば動画を見るより、自分でやった方がいい」と。まさに至言だ。
素材の異なるものを面一にするために2カ月も試行錯誤した俺のような人に、少しでも役立つ情報を提供していきたいと思う。
とりあえず今日はこのくらいで。いま気が付いた。タイトルは「自分を振り返る」だった。全然違うこと書いてた。
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