初心者が魔改造をするにあたって重要なこと②

今日は朝から昼までひたすらデスクワーク。時間との勝負だ。俺は飽き性だけど短期的な集中力には自信があるので、一個一個の仕事に時間制限をかけてタイムアタック感覚でやると仕事が楽しくなる。午後は車でお客さんの自宅へ。いい人たちだった。俺は見てくれは貫禄ありまくりだけど、実は極度の人見知りなので知らない人と初めて会うのはいつもドキドキだ。

前回の続きだ。今回言いたいのは、「道具はいいものを使え」ということだ。

ここでいういいものというは別に高額というわけではない。タミヤやウェーブといったこの業界では有名なメーカーの新品を使った方がいいということである。

なぜなら、初心者は道具に対する自分なりの基準がないから、今使っている道具がちゃんと本来の機能を発揮しているかわからないからである。

自分の失敗談としては、中古のエアブラシ、コンプレッサーをヤフオクで購入して使っていたが、初めてエアブラシを使ったものだから、まあこんなもんかなと思ってしばらく使っていた。

でも書籍やネット情報のとおりにやってみてもいまいち上手くいかない。ただ、初めてだから、自分の技術不足だと思っていた。

しかし、新品のエアブラシを使ってみてびっくりした。なんだ、すごい使いやすいぞ!

ヤフオクで購入したものも新品で購入したものも同じ有名メーカーの普及品である。今ならわかるが、ヤフオクで購入したエアブラシはボタンの押し下げに反発するバネが劣化していて、完全に押し下げるか、まったく押し下げないかの2パターンしか押し下げ操作をコントロールできなかった。それが新品は微妙な押し下げ操作が可能だった。そりゃそうだ。そのためのダブルアクションなんだから。

このように、その道具の本来の機能やレベルを知っていない人間は、道具の良しあしの判断ができないのである。まあ、ぶっちゃけ偉そうに言うほどのことでもないんだけどね。

こう書くと、じゃあ高い道具をいっぱい揃えなければだめなのかと思うかもしれないが、先にも書いた通り、別に高級品を買う必要はないと思う。特に初心者の場合、へたに高級品を買ってもその機能を全部発揮できない可能性が高い。イチローモデルのバットを買ったからと言って、カラーボール野球レベルの人間がヒットが打てるようになるわけではない。逆に、イチローモデルのバットはイチローのバットコントロールを基準に作成されているのだから、素人には使いづらいはずだ。だから、有名メーカーの普及品レベルのもので十分である。

有名メーカーであっても普及品レベルはさほど高価ではない。デザインナイフなんて1000円くらいだ。これをけちって100円ショップのものを使うのはお勧めできない。100円ショップのものを使って上手に作業ができる人は、よほどセンスと手先の器用さを備えている人か、または模型経験があり自分の中に道具の基準値がある人だと思う。そうでない人は、やめておいた方がよい。

あと、買うなら新品を買うべきである。いくら有名メーカーのものであっても、中古ではその道具の機能を判断できないからである。これも100円ショップの道具と同じで、自分なりの道具についても基準値がある人は中古であっても、実際に今使っている中古の道具が正しい機能を発揮しているどうか判断できるが、初心者では難しい。特にエアブラシ、コンプレッサー、モーターツールはけちらず、新品にした方が楽しい魔改造ライフのスタートができるのは間違いない。

俺は基本的に形から入るタイプなので、道具は色々揃えた。そういえば、昔、これから毎日日記をつけるぞと決めて、だったら10年日記を書けば面白いんじゃないかと思い、10年日記を買って、結局1日も日記を書かずに10年経ったのはいい思い出である。

色々道具を揃えてなんとなくわかったことがある。
①道具がたくさんあっても、通常使用する道具はほぼ固定されてくる。
②パテは自分の作業方法と好みによって決めた方がよい。
③モーターツールは高価だがあった方が絶対に楽である。

まず、「①道具がたくさんあっても、通常使用する道具はほぼ固定されてくる。」について説明する。
俺が普段使用する道具は下記のとおりである。
・デザインナイフ(タミヤの直線刃の普及品)
・模型用ニッパー(これもタミヤの普及品) 
・模型用金属ヤスリ(これもタミヤの普及品) 平と半丸 
・金属ヤスリ(ホームセンターで買った目の粗いもの) 平と半丸 
・紙ヤスリ(タミヤのフィニッシングペーパー) 180、240、320、600、800、1000番
・スポンジヤスリ(神ヤス)120、240、400、600、800、1000、2000番
・ピンセット(タミヤの普及品) 
・ニードル、精密ドリル(Amazonで適当に高評価だったもの)
・へら(Amazonで適当に高評価だったセットもの)
 ※ただし、基本、好みの2、3本しか使用していない。他はどう使えばいいのかわからん。
・カッター(ホームセンターで購入)
・瞬間接着剤(模型メーカーのもの) いろいろ
・針金(ホームセンターで購入) 1ミリ、2ミリ、3ミリ
・プラ角棒(やっぱりタミヤ、ダボとして使用) 3ミリ、5ミリ
・料理用0.1グラム単位で計測できるデジタル量り
 ※主にエポパテの2種を同グラム軽量している。少量の場合、目分量は相対比が大きくなる。
・パテ(エポパテはマジックスカルプ、ポリパテはタミヤの超有名なあれ、ラッカーパテは使わない)
・エアブラシ ウェーブの0.3ミリ HT-581
 ※0.2ミリも買ったけど俺の使用方法だと必要ないというか、違いがよくわからん。
・コンプレサー(クレオス L5)
・超音波カッター(エコーテック 超音波カッター ZO-40レジン)
・ミニルーター(アルゴファイル マイクロモーターシステム スターライトネクスト ブラック SNH35STB-3024)
・アルゴファイル ARTIMA7

まあこんなものである。実際にはこれの数倍いろいろ買って、使ってみて、なんとなく固定されてきた。例えば、デザインナイフで曲線刃のものも買ったが、結局俺には使いこなせなかった。というか、使っていてなんか使いづらいなーとしか思えなかった。これはそのデザインナイフが悪いというより、俺の技術力や好みの問題だと思う。

よくデザインナイフは切れ味を維持するために、定期的に刃を交換しろと書籍やネット情報にはある。でも俺は、刃がちょっと引っかかる方が好みなので、めったに刃を交換しない。切れ味が悪くなると怪我をしやすいという意見もあるが、刃の進行方向に指を置いておかなければ怪我のしようがない。

結局何が言いたいのかといえば、魔改造の初心者であればあるほど、色々な道具を試してみるべきであるということだ。自分の技術力と好みにマッチした道具を使った方が間違いなく楽しい。弘法筆を選ばずというが、これは弘法大師が超絶レベルの技術力を有しているから、どんな筆でも使いこなすことができるということであり、逆に初心者であればあるほど良い道具を使うべきなのである。

次に「②パテは自分の作業方法と好みによって決めた方がよい。」についてである。
パテもそのうち使用感の比較なんかやりたいけど、同じエポパテでも商品によって全く使用感が異なる。タミヤとウェーブの超有名なやつは俺には合わなかった。ベタツキすぎるのと、反発が強いから造形がしにくい。それに対して、マジックスカルプはベタツキがほとんどないし、反発もちょうどいいので粘土みたいに使える。ただ、これはあくまでも俺の主観であり、単にタミヤとウェーブのものを俺を使いこなせていないだけなので、商品の優劣を言っているわけではない。あくまでも俺はマジックスカルプが好きってだけだ。

ちなみに、YouTubeとかでパテが硬化する前に造形をほぼ完成させるような方もいるが、初心者はそんなことできると思わない方がよい。あれが当たり前だと思うと心が折れるよ。ただ、マジックスカルプはベタツキがないので結構造形できる。それでも、一部分の造形を完成させても、他の部分を修正していくとバランスが崩れていって完成した部分も結果的に修正していかなければならず、結局、最初にパテ盛りした段階で造形を完成させることにあんまり意味はないと思う。大事なのは全体のバランスだから、まずは全体のバランスをとるためにざっくりとパテ盛りして、バランスが崩壊しないレベルまで全体のざっくりとした造形をしてから、細かい部分の造形をしていくことになると思う。

最後に「③モーターツールは高価だがあった方が絶対に楽である。」だ。
あった方がいいのは間違いないが、なかったら魔改造できないかといえば、それは違う。あれば便利ってだけである。手作業で代替できないことは俺の作業レベルではいまのところない。そのうち、モーターツールの使用感についても書きたい。経験からいえば、2,3体魔改造してから自分の作業スタイルに応じて、必要があれば買えばいいのではないかと思う。

一応簡単に、モーターツールがあるとどんな作業が楽になるかについて書いておく。

超音波カッターは、対象を大きく切断するときに役に立つ。ある程度の大きさのものをデザインナイフで切断するのは、できなくはないが力もいるし、時間もかかる。それが超音波カッターであれば、スーッと刃を入れることができるので、力はあまり必要ない。それ以外にもプラ棒を切るときにも俺は使っている。ただ切るというよりは熱で溶かして切るので、切断面が荒れる。まあ、切断面は金属ヤスリで簡単にきれいにすることできる。しかし、切断中はプラ棒が熱くなるので要注意である。超音波の熱がプラ棒を伝ってプラ棒を持っている手まで来るのは、超音波の凄さを感じる。

次にミニルーターは穴を空けたり、対象をざっくりと造形するのに役立つ。精密ドリルで穴を空けるときにピンバイスを使用していたが、なにげにめんどくさかった。しかしミニルーターであれば、超簡単に穴を空けることができる。また、丸型や棒型の超硬ビットを使えば、デザインナイフや金属ヤスリとは比較にならないくらい簡単に対象を削ることできる。ただ粉塵がすごいので対策が必要だ。あとは、丸刃を使えば、簡単に切断ができる。俺はダボ加工をするために切断するときに使用している。超音波カッターは刃はスーっとはいるものの刃が短いので厚みのあるものを綺麗に切断するのは苦手だ。刃を何回も入れないと完全に切断できないので切断ラインが乱れる。それに対してミニルーターで丸刃を使えば、切りシロはでるものの、綺麗に切断できる。ちなみにミニルーターは性能と値段が正の相関にある。つまり高ければ性能は高くなるものの、安ければ性能はそれなりってことだ。俺は今使っているミニルーターの前の8000円くらいのものも使用していたが、使用感は全く異なる。8000円のものは回転数を上げると軸がブレる感じがした。

最後に「アルゴファイル ARTIMA7」は、ヘッドが前後に高速に動くので、ざっくりと面をヤスリ掛けするのが得意である。特に異なる素材が同一面にある場合、金属ヤスリなどの平面部分でヤスリ掛けをしないと面一にはできない。だって、素材が異なる=素材の硬度が異なるということだから、スポンジヤスリなどの面に追従するヤスリだと柔らかい素材の方が多く削れてしまうからである。

ということで、今日はおしまい。お疲れ様でした。


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